この記事のポイント
- 赤字なら 所得税・個人事業税は原則かからない
- 住民税は所得割はかからないが、均等割は非課税基準を超えると発生することがある
- 青色申告なら 純損失を3年間繰り越しでき、翌年以降の黒字と相殺できる
- 赤字でも 確定申告をしておくメリットが大きい
1. 結論
事業が赤字(所得がゼロ以下)なら、所得税と個人事業税は原則かかりません。ただし「税金がすべてゼロ」とは限らず、住民税の均等割や国民健康保険・国民年金は状況により発生します。
さらに、青色申告なら赤字(純損失)を翌年以降に繰り越せるため、赤字の年こそ確定申告をしておくのが得策です。この記事で整理します。
2. 税金ごとの赤字の扱い
| 税・保険料 | 赤字のときの扱い |
|---|---|
| 所得税 | 所得がなければ原則かからない |
| 個人事業税 | 事業主控除290万円もあり、所得がなければかからない |
| 住民税(所得割) | かからない |
| 住民税(均等割) | 非課税基準を超えると課されることがある |
| 国民健康保険料 | 所得が低いと軽減されるが、ゼロにはならないことが多い |
| 国民年金保険料 | 定額。免除・猶予は申請が必要 |
| 消費税 | インボイス登録者は赤字でも申告・納税義務がある |
3. 「赤字=税金ゼロ」ではない点
赤字でも次の負担は発生しうるので注意しましょう。
- 住民税の均等割:所得割はかからなくても、合計所得金額が非課税基準(単身でおおむね45万円以下が目安。自治体・扶養人数で変わる)を超えると、定額の均等割が課されることがあります(個人事業主が払う税金の種類 も参照)
- 国民健康保険・国民年金:税ではなく社会保険料です。国保は所得が低いと軽減(7割・5割・2割)されますが、ゼロにはなりにくく、年金は定額です
- 消費税:インボイス登録(課税事業者)なら、事業が赤字でも消費税の申告・納税義務があります(国税庁 No.6498)
4. 青色申告なら赤字を繰り越せる
青色申告の大きなメリットが 純損失の繰越控除 です(国税庁 No.2070)。
- 繰越控除:その年の赤字(純損失)を 翌年以降3年間 繰り越し、将来の黒字と相殺して税金を減らせる
- 繰戻し還付:前年も青色申告をしていれば、赤字を前年の所得に繰り戻して、前年に納めた所得税の還付を受けられる
これらは 青色申告者だけの制度で、白色申告では原則使えません。青色申告のやり方は 青色申告をfreeeで進める方法 を参考にしてください。
5. 赤字でも確定申告するメリット
- 損失を繰り越せる:赤字を翌年以降3年に繰り越すには、その年に確定申告(損失申告)が必要
- 還付を受けられる:源泉徴収や予定納税で払い過ぎた税が戻ることがある
- 所得を証明できる:国民健康保険料の軽減判定や、各種手続きで所得の証明になる
「赤字だから申告しなくていい」と考えがちですが、申告しないと繰越も還付も受けられません。会計ソフトを使えば、赤字でも決算書と申告書を作れます(freeeで確定申告する流れ / マネーフォワードの使い方)。
6. よくある疑問
赤字なら確定申告しなくてもいい?
義務ではない場合もありますが、申告した方が得です。損失の繰り越しや還付は、確定申告をして初めて受けられます。
白色申告でも赤字を繰り越せる?
原則できません。純損失の繰越控除・繰戻し還付は青色申告者の制度です。これから始めるなら青色申告がおすすめです。
赤字でも国民健康保険料はかかる?
かかることが多いです。所得が低い世帯は均等割などが軽減されますが、ゼロになるとは限りません。自治体に確認しましょう。
7. まとめ
赤字のとき、所得税・個人事業税・住民税の所得割は原則かかりません。ただし住民税の均等割や国保・年金、インボイス登録時の消費税は発生しうるため「税金ゼロ」とは限りません。青色申告なら純損失を3年繰り越せるので、赤字の年こそ確定申告をしておきましょう。
次に読むなら、
- 税金の全体像: 個人事業主が払う税金の種類を一覧で整理
- 青色申告のやり方: 青色申告をfreeeで進める方法
- 会計ソフトの選び方: 個人事業主初心者向け会計ソフトの選び方
8. 一次情報(出典)
- No.2070 青色申告制度(純損失の繰越・繰戻し)|国税庁
- A1-4 純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求手続|国税庁
- No.2020 確定申告(損失申告)|国税庁
- No.6498 インボイス制度(登録事業者の納税義務)|国税庁
※税・保険料の扱いは個別事情や自治体で変わります。記載は2026年時点の情報です。判断に迷う場合は 国税庁公式 やお住まいの自治体・税務署・税理士への確認も検討してください。

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