車の減価償却の計算方法をわかりやすく整理

帳簿

この記事のポイント

  • 車(10万円以上)は一度に経費にできず、耐用年数で分けて減価償却 する
  • 法定耐用年数は 普通車6年・軽自動車4年(自家用)
  • 個人事業主は 定額法が原則(届出をすれば定率法も可)
  • 中古車は 簡便法 で耐用年数を短く計算できる

1. 結論

事業用の車は、取得価額が10万円以上なら、買った年に全額を経費にはできません。耐用年数にわたって少しずつ経費にするのが減価償却です。普通車は6年、軽自動車は4年が法定耐用年数で、個人事業主は原則 定額法 で計算します。

この記事では、計算式と中古車の扱いを具体例つきで整理します。

2. 法定耐用年数(自家用)

車種 法定耐用年数 定額法の償却率
普通自動車 6年 0.167
軽自動車(排気量0.66L以下) 4年 0.250

運送事業用・レンタカー業用などは別の耐用年数(3〜5年)が定められています。一般の事業で使う自家用登録の車は上記が基本です(国税庁 耐用年数(車両・運搬具))。

3. 定額法の計算式

定額法は毎年同じ額を経費にする方法です。

毎年の減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率

計算例:240万円の新車(普通車・事業専用)

  • 240万円 × 0.167 = 1年あたり 約40万円 を6年かけて経費にする
  • プライベートと兼用で事業使用割合が60%なら、40万円 × 60% = 約24万円が経費

個人事業主は届出をしなければ定額法になります。定率法を選びたい場合は、取得した年の確定申告期限までに 償却方法の届出書 を提出します。

4. 中古車の耐用年数(簡便法)

中古車は、法定耐用年数より短い「簡便法」の耐用年数で計算できます(国税庁 No.5404)。

状況 耐用年数の計算
法定耐用年数をすべて経過 法定耐用年数 × 20%
一部を経過 (法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

1年未満の端数は切り捨て、計算結果が2年未満なら2年とします。

計算例:4年落ち(48か月経過)の普通車

  • (72か月 − 48か月)+ 48か月 × 20% = 24 + 9.6 = 33.6か月 → 切り捨てで 2年

「4年落ちの中古車が節税になる」と言われるのは、耐用年数が2年と短くなり、早く経費にできるためです(とくに定率法を選んだ場合は1年で償却しきれることがあります)。

5. 取得価額による扱いの違い

取得価額 扱い
10万円未満 買った年に全額経費(消耗品費など)
20万円未満 一括償却資産として3年で均等に経費にできる
少額減価償却資産の特例 青色申告者は一定額未満の資産を全額その年の経費にできる(年間合計に上限あり)
上記を超える 耐用年数で減価償却

少額減価償却資産の特例は金額基準が改正

青色申告者向けの「少額減価償却資産の特例」は、対象となる取得価額の基準が引き上げられる改正が行われています(年間合計の上限は据え置き)。車両は金額が大きく対象外になることが多いですが、最新の基準は国税庁 No.2100 で確認してください。

6. 事業按分

プライベートと兼用の車は、減価償却費のうち 事業使用割合分だけ を経費にします。走行距離や使用日数など、合理的な基準で按分し、根拠を記録に残しておきましょう。按分の考え方は 自動車保険を経費にできるか個人事業主向けに整理 も参考になります。

7. よくある疑問

定額法と定率法、どちらがいい?

個人事業主は届出をしなければ定額法です。定率法は初期に多く償却できますが、計算がやや複雑です。迷ったら定額法のままで問題ありません。

ローンで買った車も減価償却できる?

できます。減価償却の対象は車両本体の取得価額です。ローンの利息は別に「利子割引料」で経費にしますが、元金の返済は経費になりません。

計算は自分でやる必要がある?

会計ソフトに取得価額・耐用年数・事業割合を入力すれば、毎年の減価償却費を自動計算してくれます。手計算は不要です。

8. まとめ

車は10万円以上なら減価償却で数年に分けて経費にします。法定耐用年数は普通車6年・軽4年で、個人事業主は定額法が原則です。中古車は簡便法で耐用年数を短くでき、早めに経費化できます。プライベート兼用なら事業使用割合で按分しましょう。

次に読むなら、

9. 一次情報(出典)

経費の考え方の全体像は 個人事業主の経費とは(判断の基準と一覧) で確認できます。


※耐用年数・償却率・特例の要件は改正されることがあります。記載は2026年時点の情報です。計算前に 国税庁公式 の最新情報を確認してください。

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